泥棒
しーんとした家に1人でいたりすると、時に「みしっ」というような音がすることがある。
子供の頃に留守番をしている時、2階から「みしっ」と音がすると、訝しみつつ、じわじわと湧いてくる恐怖に耐えながらも我慢しているのですが、再度の「みしっ」にとどめを刺されて家を飛び出たことが何度もあります。
今となっては、木造の家屋は湿度や乾燥で木材が伸縮したりするので、「みしっ」というのはその音なのだ、と分かりますが、少年ルディパパはそんなことは分からず、「みしっ」は恐怖でしかありませんでした。
恐怖していた対象は、幽霊ではなく、泥棒です。
ルディパパにとって、「みしっ」は泥棒が潜んでいるのでは!?と思う音だった。
そして、それはいつも二階だった。
泥棒は二階にいる・・・。
先日の夜、仮眠していたら、突然ルディママに叩き起こされた。
血相を変えたルディママが言うには、誰もいないはずの二階から、「みしっ」」ではなかったけれど、それ以上に大きな音で、寝室のドアが閉まる音がしたのだという。
二階寝室のドアは開け放していたそうで、閉まる音はルディママだけでなく、長女も聞こえたというのだ。
「泥棒がいるのでは!?」
と、騒ぐルディママ。
「二階に確認に行かなきゃ!」
たまたまドアの開け放しが緩く、閉まったに違いなく、仮眠中だったので眠いことこの上ない。
第一、もし泥棒ならすぐに見に行ってどうする。鉢合わせになるではないか。逃がしてやる時間を与えた方がいい。
しかし、頑なに確認したがるルディママは、長女を引き連れて二階へ行くという。
更に、心許ないルディママは、ルディも加えた泥棒確認隊を編成。
ルディはルディパパと寝ていたのだけど・・・。
「ルディ、二階に行くよ!」
と、ルディママに声をかけられたら飛び起きて走り出したのだった。
先頭切って駆け上がるルディ!
なかなか頼りになる。本当に泥棒がいたら活躍できるかは疑問だけど。
・・・。
もちろん、泥棒はいなかった。
・・・。
いや、いた!!!
二階へ駆け上がったルディは長女の部屋へまっしぐら!
あれほど口うるさく注意しているというのに・・・長女は部屋に菓子パンを置いていた。
そのパンを強奪したルディは野獣と化し、しかし長女の部屋は突き当たり。
「ルディ家二階廊下封鎖します!」
ルディはパンを咥えたまま、突っ走ってルディママと長女がいる廊下の強行突破を図りましたが、長女が間一髪捕まえて御用となったのでした・・・。
捕まり、パンを奪われると野獣・ルディは元のルディに戻り、怒られてしょんぼり。
パンを泥棒したのもいけないが、大捕物帳の間、ルディはしっかり一口だけパンを齧って食べていたのだった・・・。
まだまだ気をつけなければなりません!
かくして、ドアは勝手に閉まったものと思われますが、泥棒を探しに行ったルディが泥棒になってしまったのである・・・。
泥棒はいなかったが、現れた。
やはり、二階に泥棒はいる。何してんだか・・・。
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タグ:ミニピン ミニチュアピンシャー
2020-02-07 00:12
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コメント(2)
あはははは!
まるでショートショートのようなお話で素敵でした!
ルディママの泥棒確認隊も勇ましいルディもしょぼん顔のルディもかわいいです。
しかし本当に泥棒がいたら2人と1匹はどうしたんでしょう?
逃げる時間を与えるのに私も賛成です。
いなくてよかった。いや、いたんだけど。いや、なったんだけど…笑
by あんこかいぬし (2020-02-07 23:24)
>あんこかいぬしさん
もし泥棒がいたとしたら、先頭のルディが吠え出したら確認隊は即撤退だったのではないかと思います(笑)
ちなみに二階の窓は全て施錠されたままであり、泥棒が窓から逃げたとしたら何れかの窓は解錠されているはずなので、やはり泥棒は存在していなかったことになります。いや、いたんだけど。いや、なったんだけど…(笑)
by ルディパパ (2020-02-09 11:01)